焼け野の雉子夜の鶴

【漢字】焼け野の雉子夜の鶴
【読み】やけののきぎすよるのつる
【意味】キジは巣がある野が焼けると必死で子を助ける。鶴は寒い夜は羽根で子を覆って温める様子から、子どもを思う親の愛情深さをいう。
【例文1】人の親となり、両親がよく言っていた焼け野の雉子夜の鶴をしみじみ想う。
【例文2】子どもの寝顔を見ると焼け野の雉子夜の鶴で愛おしい。
【例文3】子どもを持って焼け野の雉子夜の鶴を知る。

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自分の子どもは身を挺して守ります

野原で雉が雛を抱いているときに、火事が起こりましたが、火が近づいてきても雉の雌は逃げることをせず焼け死んでしまいます。火が治まった後、親鳥の死骸の下から雛が出て来ました。また、冬の夜寒い中、鶴の雌は羽を広げて雛を守っていました。親鳥は凍え死んでしまいましたが、雛は羽に守られて生きていました。このことがことわざとなったのが、焼け野の雉子夜の鶴なのです。つまり、親は自分の身を顧みず子ども(雛)を守ると言うことわざです。
しかし、最近のニュースを見ていると、雉や鶴にも劣る人間の親の多いことに悲しくなります。鳥に限らず動物は、自分の子どもは身を挺して守ります。しかし、人間はそうではありません。自分のお腹を痛めたわが子ですら、虐待をし、育児放棄をします。そして、多いのが離婚をした後に自分で引き取って置きながら、新しい恋人ができると、その子どもはただの邪魔者になります。我が子にこのような仕打ちをするのは人間だけです。
数年前になりますが、茨城県水戸市の千波湖のほとりでコロニーを作っている黒鳥が、心ない少年に襲われました。その際、子育ての最中でした。この親鳥は自分よりも遙かに体の大きな数人の少年に向かって、羽を大きく広げ威嚇しますが、少年達は、このけなげな親鳥を打ち殺しました。もちろん、動物保護の関連で逮捕をされましたが、このように雛を守る親の姿を、この少年達はただただ笑い飛ばしたと言います。そんな話を聞いて許せませんでした。
昨今、まともな子育てのできない親が多い為に、このような少年達も出てくるのでしょう。
このことわざの、雉や鶴を人間も見習うべきなのです。